スイスの鳩時計 − スイスのイノベーション気質

二つ並んだスイスの鳩時計
文字盤にスイス国旗のある典型的なスイスの鳩時計 © Lötscher AG

 

機械時計にオルゴールとカッコウが装飾された鳩時計は、世界中で広く人気を集めている。鳩時計作りには長い伝統がある。

スイスの鳩時計は、スイスのイノベーション気質を示す一例である。世界的に知られるスイスの時計製造は、ベルナー・オーバーラントの村ブリエンツで始まった。鳩時計は、のちに改良され、近代化されていった。

何世紀にもわたり、ブリエンツの職人たちは、木彫細工や木造シャレー(山小屋)を模った繊細な作りのオルゴール作りで知られていた。デザインの着想となったのは、彼らが実際に暮らしていたスイスアルプスの山小屋である。

1920年、現在のロバートレッチャー社が独自の鳩時計モデルの製作を開始した。スイスの技術革新と創造性によって機械時計とカッコウ(鳩)がオルゴールに組み込まれ、世界的に愛されるシャレー型の鳩時計が作り上げられた。その後、レッチャー社は、鳩時計のために特別に作曲した楽曲を組み込んだ。

文字盤のスイス国旗

創業から100年近く、ロバートレッチャー社はシャレー型の鳩時計を製造している。当時と同じスタイルで作られているシャレー型鳩時計は、良質なスイス製品の代表である。装飾の花は、美しいブリエンツ湖で採取した石や砂で作られており、レッチャー社の時計が本物であることを示すもう一つの理由とされている。

唯一無二のスイスの鳩時計は、スイス全国にある厳選された専門店で取り扱われている。文字盤にスイスの国旗があることが目印である。

2013年、2人のスイス人工業デザイナーがローザンヌにSwiss Koo社を創設し、鳩時計業界に新風を吹き込んでいる。