秋の祭りと風習

秋の祭りの大半は、農作物やブドウの収穫にまつわるものである。スイス各地で行われる数多くのパレードや市、踊り、展示が人々をお祭り騒ぎに誘う。

夕日に照らされた満杯のスタジアム
何百人もの演者や歌手、動物が、何千人もの観客の前でワイン生産者の祭り「フェット・デ・ヴィニュロン」を祝う。 © Samuel Rubio, Confrérie des Vignerons

すべてのワイン産地で開催されるワイン祭り

ブドウの収穫を祝うために、スイスのすべてのワイン産地でワイン祭りが開催される。最大の祭りはヌーテシャルのワイン祭りで、9月末になると街の中心部が封鎖され、3日間にわたって祭りが行われる。ヴヴェイでは25年ごとに「フェット・デ・ヴィニュロン(ワイン生産者の祭り)」が開催される。何百人もの演者や動物が町を練り歩く。前回の「フェット・デ・ヴィニュロン」は、この伝統がユネスコの無形文化遺産に登録される3年前の2019年に開催された。

フリブール州のベニションキルビ

フリブール州では、「ベニションキルビ」をごちそうや踊り、パレード、音楽で祝う。このストリートフェスティバルは、9月の第2日曜日に低地で、10月の第2日曜日に山岳地帯で開催され、州全土で行われる。

中央スイスのエルプラーキルビ(ゼンネンキルビ)

スイス中央部、特にオブヴァルデン、ニドヴァルデン準州は、収穫祭で知られている。10月の第3日曜日には、「エルプラーキルビ」または「ゼンネンキルビ」と呼ばれるストリートフェスティバルが開催される。ゼンネンとは、夏場に山地の牧草地で牛を管理する人、つまり羊飼いとチーズ職人のことである。彼らは広場に集まって山の格言を披露し、村の権力者をからかう。

ベルンの「ツィーベレメリット」

11月の第4月曜日、ベルンではベルン語で「ツィーベレメリット」と呼ばれる大規模な玉ねぎ市が開催される。街は色とりどりに飾られ、市場の屋台ではタマネギや冬野菜、陶器、マーゲンブロート(スパイス入りのお菓子)、土産物が売られる。

インターラーケンのウンシュプンネン祭

ウンシュプンネン祭は、スイスの伝統衣装と山の祭典で、約12年ごとにインターラーケンで開催される。祭りの中心は、シュヴィンゲン(スイス相撲)、ヨーデル、83.5kgの石投げなどの風習だ。ウンシュプンネン祭は1805年に初めて開催され、次回は2029年に予定されている。