ヴォー保健科学大学と帝京大学 今年の交流事業修了式

Local news, 14.02.2020

放射線技術に関してヴォー保健科学大学(HESAV)と帝京大学が行っている今年の学生交流事業が無事に終了し、在日スイス大使館で修了式が行われました。

教授やスイス大使館関係者とともに、日本とスイスの学生グループ ©在日スイス大使館
教授やスイス大使館関係者とともに、日本とスイスの学生グループ ©在日スイス大使館

放射線技術に関する帝京大学との相互交流事業の一環として、2月初めにヴォー保健科学大学 (HESAV)からスイス人学生8名、教授1名のグループが来日しました。2週間の滞在を終えるに当たって、一行は2月14日に在日スイス大使公邸に招かれ、帝京大学の関係者や日本人学生たちと共に修了式に臨みました。

修了式はスイス大使ジャン=フランソワ・パロの挨拶で始まり、大使は実りある協力関係を築いた出席者たちに祝意を表すとともに、両大学がこれからの共同プロジェクトにおいてさらなる前進を遂げるよう祈念しました。その後、ホセ・アダルベルト・ピレス・ホルヘ教授が感謝の言葉を述べ、学生グループによるプレゼンテーションが始まりました。

次にスイス人学生が4つのグループに分かれて2週間の経験や印象を振り返りました。聴衆は、患者の取り扱いや医療スタッフ同士の責任分担に関して、スイスのやり方と比較して、日本ではどのように放射線技術学が実践されているかについて貴重な洞察を得たばかりか、スイス人グループの福島第一原子力発電所訪問の様子も知ることができました。放射線医学的見地に基づくこの原子炉訪問は滞在中のハイライトの一つでしたが、放射線防護のための厳しい措置はスイス人学生たちに強い印象を残しました。

5番目のグループとして、交流事業で昨年約2週間スイスを訪問した日本人学生の中から5名が登壇しました。彼らはスイス滞在中に、スイスの保健や教育制度、スイスでのX線造影技術職、ローザンヌ大学病院(CHUV)での放射線腫瘍科診療、スイスとヨーロッパのマンモグラフィー研究の見識などについて講義を受けました。学生たちは日本とスイスにおける放射線医学の人口動態や機構的相違に関する考察に加え、ローザンヌのオリンピック博物館や欧州原子核研究機構(CERN)への訪問から得た印象についても発表を行いました。

帝京大学医療技術学部診療放射線学科長の岡本孝英教授の挨拶をもってプレゼンテーションは終了しました。岡本教授は、この交流事業は才能ある若者たちの知見を広げる好機だと述べ、違いを知ることやお互いに敬意を払うことの大切さに触れました。最後に、帝京大学医療技術学部学部長の滝川一教授からスイス人学生たちに修了証が手渡されました。

2017年に始まったHESAVと帝京大学との協力関係に基づき、2018/19学年に初めて交流事業が行われ、今年で2回目になります。放射線医療技術分野で2週間のプログラムが組まれ、相互に訪問を実施しています。双方とも交流事業の将来性に期待を寄せており、既に来年の事業計画も進められています。