ザンクトガレンの修道院

敬虔な張りつめた雰囲気のバロック調の閲覧室、壁いっぱいを取り囲む多くの貴重な蔵書の数々、ザンクトガレン修道院付属の図書館では、正真正銘の知の力を感じることができる。修道院は、7世紀に修道士ガルスによって作られた庵に始まった。中世初期には、修道院に作られた学校や学識のある修道士たちとともにヨーロッパ中に知られる文化の総本山となった。修道院は、ザンクトガレンの町に発展をもたらした。

ザンクトガレン修道院 ©Presence Switzerland
データ

世界遺産名

修道院付属図書館と修道院。612年に作られた修道院は、9世紀から10世紀にかけて全盛期を迎え、1805年に国有化された

場所

ザンクトガレン州ザンクトガレン

ユネスコ世界遺産登録年

1983年

登録理由

人類の歴史を象徴する重要な様式の建築物の一例。建築の進歩に貢献する貴重な人的価値を示す。(ユネスコ登録基準3、4)

特徴

ザンクトガレンのベネディクト会修道院は、8世紀から1800年ごろまでにかけてヨーロッパの最も重要な修道院のひとつだった。1755年から1768年にかけて、カロリング・スタイルだった修道院施設が改築され、バロック調の建築アンサンブルが誕生した。修道院教会(現在の大聖堂)と公文書保管所、特に図書館は、注目に値する建築物である。修道院図書館には、貴重な修道士の直筆文献や9世紀に羊皮紙に描かれた最古の設計図など、知的活動の証が保管されている。ベネディクト会修道院付属図書館は、今日もなお、世界で最も重要な修道院図書館である。カタログ化された約17万冊の本とメディア媒体は、閲覧室で見ることができる。 

世界遺産と“スイス”

ザンクトガレン修道院の図書館にある本には、“知識”という役に立つ宝が詰まっている。天然資源を持たない国にとって、知識と経済的な豊かさは、重要である、そのためスイスにとって、教育、研究、技術革新こそが重要な資源となる。スイスは、教育、および、研究開発の促進に多額の投資を行っており、大きな成果を上げている。スイスは、ファスナーから超伝導体まで、幅広い分野で技術革新を行っている。(教育と研究の国スイスに関する詳しい情報は、サイト内で紹介しています。『教育』および『リソース』のページをご覧ください。)

ビジュアル情報

UNESCO world heritage - Convent of St Gall
Federal Department of Foreign Affairs FDFA