自然-統計データ

スイスには、中部平原からアルプス山脈まで、とても多様な景観と生物圏がある。アルプスの山から湿地帯の景観、ジュラの森林まで、都市の中心部からとても近いところに自然の生態系が形成されている。

スイスに関するインフォグラフィック。20の国立公園、スイスの国土全体の1/3が森林、ユネスコ世界遺産に登録されているアレッチ氷河

 

地域による景観や気候の多様性があることからスイスにはさまざまな生物圏がある。スイスには、世界のどこにも類を見ない100以上の生物圏があり、そのほとんどは、アルプス地方にある。

小川から飲水に

ヨーロッパの飲水の約6%がスイスを水源としている。スイスは、水の城と呼ばれている。水は、雨水、湧水、貯水された雪や氷河からなる。8割の飲料水、および、産業用水には、地下水が使われている。飲料水の4割は、処理を行わずに供給することができる。家庭で使われる水は、1日一人当たり287リットルである。1990年のはじめ以降、水の使用量(産業用、工業用、農業用水を全て含む)は、人口増加にも関わらず、2割削減された。水力発電は、スイスの主要な再生可能エネルギーである。水力発電の2/3は、ウーリ州、グラウビュンデン州、ティチーノ州、ヴァリス州という山岳地帯にある州で行われている。

きれいな空気のための法律

スイスは、空気がきれいなことで知られている。WHOのランキングでは、大気汚染の少ない国の世界13位にランキングされている。大気の状態は、場所、季節、標高に左右される。中部平原の都市部では、アルプス地方やジュラ地方よりも大気汚染が認められた。スイスの空気の質は、1980年代から徐々に良くなってきている。この前向きな動きは、連邦、州、市町村の大気汚染阻止政策によるものである。これらの政策は、1986年に試行された大気汚染防止条令の基盤となった。この条令は、環境保護法に依拠し、交通、農業、工業からの有害物質の排出を防止するさまざまな措置を含んでいる。大気の質は、常に監視され分析されている。16ヶ所ある国立の大気物資監視ネットワークの観測所がそれを行なっている。

修復可能な生物圏である森林

スイス国土の約32%が森林である。20世紀には、森林の面積は徐々に増えていった。1876年、初の森林法が制定され、森林の保護が法律で定められ、より多くの森林破壊が防止された。連邦と州が森林の保護と保存を監視している。建築資材やエネルギー源としての経済的役割の他にも森林は、雪崩や洪水、落石を防止する重要な役割を持っている。その他にも森林は、急な勾配の地形における地盤の安定や生物多様性にも寄与している。スイスの森林には、約3万種類の動物や植物、きのこ類が生育している。トウヒ(エゾマツ)、ブナ、オウショウモミ、カエデ、オークなどが最も多く見られる木の種類である。

スイスの自然

  • 連邦景観自然遺産一覧には、162ヶ所が登録されている。これらの面積は国土全体の19%を占めている。
  • 国の重要保護地区の面積は、国土全体の24%を占める。
  • 国の重要なビオトープの割合は、国土総面積の2%を占めており、その中には、1060種類の動植物が生息している。
  • スイスには、50種類の木がある。
  • 約3割の森林が民間所有で、その他の森林は公的予算で管理されている。
  • スイスには、全部で6万5000kmを超えるハイキングコースがある。スイスのハイキングコースを繋げると地球1.5周分の長さになる。
  • 自転車やマウンテンバイクを乗る者には、標識が完備された2万kmのサイクリングコースがある。
  • スイスの平均標高は、1307mである。スイスには、4000mを超える山が48あり、ヨーロッパのほとんどの4000m級の山が集まっている。